おはようございます、梅子です。
「第三回 梅子と始める梅仕事♪」 で参加者皆さんと同じ状態で仕入れた神谷さんの大梅の塩漬けをした翌日は、数年前からお世話をしつつお世話になっている近くの無農薬老梅の塩漬けをしていました。
こちらが、その老梅で、おそらく南高梅と思われるのですが、毎年たわわに実を付けるのに、誰も収穫せず、落ちていくばかりだったんです。
毎年完熟期になると「ボトっ、ボトっ」と、静かな鈍い音を立てながら、下に落ち…、
誰にも見向きをされず、人や車に踏まれ、「なんで私を無視するの?」、「なんで私を美味しくしてくれないの???」と悲しんでるのか、怒っているのかを無言で表現するかのように、強烈な悪臭を放ちだし…、
結局は成すすべもなく朽ちていくことが毎年続いていました。
梅子は、この梅の木の前を通る度、梅ちゃんたちの無言の雄たけびが聞こえてくるようで、心を痛めていたのですが、もし収穫して利用されないのであれば、掃除させて頂くので、梅を使わせて頂く事は出来ますかとお声がけさせて頂き、数年前からお付き合いさせて頂いています♪
まだ、アップ出来ていないのですが、神谷さんの大梅で甘露煮を作った後は、この梅ちゃんの青梅でも甘露煮を大量に仕込んでいました。
梅雨に入り、落ちてくる梅の量も増えたので、先々週末は甘露煮用の青梅を、先週末は梅干用の梅を、今年初登場となる梅夫の協力を得て、まとめて収穫をしました。
先週末でもまだ少し青い状態でしたが、この日収穫出来たのは約6kg。
今年はいつもより長い脚立をお借りして採ったので、上の方に成っている梅ちゃんもいつもより採れたと思うものの、神谷さんの梅園と違って、きちんと整枝されてないので、枝は痛いし、収穫最中にボトボト完熟梅ちゃんが落ちてしまう事もあるし、滑らないように梅夫に脚立を支えた貰いながら手が届くところを何とか収穫。
毎日、この梅ちゃんの前を通るたびに、いや、梅ちゃんの様子を伺うために、畑仕事の行き帰りや、お弁当のお届けの度に完熟落梅は拾っていたし、その前に甘露煮用の青梅も収穫していたので、既にかるく20kgは収穫してると思います。
この老梅ちゃんがある場所も、通りの道もキレイになって、悪臭が放たれることもなくなり、梅子は好きな梅仕事ができるという、まさに一石三鳥!
奥左が、「第三回 梅子と始める梅仕事♪」 で、6/16に神谷さんと収穫し、参加者皆さんと同じ状態で仕入れた神谷さんの大梅、奥真ん中と右が、6/18に収穫した老梅ちゃんの大梅、そして手前が6/16に神谷さんの大梅と一緒に収穫した超黄熟状態の神谷さんの小梅です。
神谷さんの大梅は既に追熟を終え、塩漬け済みですが、老梅ちゃんの大梅はその翌日に追熟を終了させ、塩漬けしました。
今年はいつも以上に厨房の暑さ対策のため簾を何重にもしているため、厨房内が暗く、ピンボケ写真が多いのが恐縮なのですが、こちらが追熟をギリギリまでした老梅ちゃんの梅です。
梅子は追熟させる場合は、段ボールに出来るだけ重ならないように並べ、蓋をせずに追熟させます。
その理由は色々あるのですが、それは来年も開催するであろう講座内でお知らせしますね( ´艸`)
無農薬梅は、どうしても病気になりがちです。
これはカイヨウ病と呼ばれる病気にかかったものです。
カイヨウ病にかかった部分は梅干にしても固くなってしまうので、ここまで酷いものは梅干にはせず、ジャムなどにしますが…、
これくらいの状態のものだったら、梅子は梅干にしちゃいます^^
そしてこちらは黒星病と呼ばれる病気にかかったもので、これも無農薬梅には良く見られる病気です。
これは見た目はちょっと悪くなっちゃうけれど、食感や味にはさほど影響しないので、梅子はこれも普通に梅干にしちゃいます。
でもすべての無農薬梅がこういう病気にかかるわけではなく、
これは追熟前の様子ですが、同じ老梅ちゃんから育ったこんなに立派な、傷が全くない大梅もあります。
…ということで、ぎりぎりまで追熟させた大梅ちゃんを塩漬けしましょう!
今回は量が少し多いので樽漬けしますが、作り方は既に袋漬けした神谷さんの大梅と一緒です♪
大きさがバラバラだったので、梅の傷み具合を確認しながら、大小分けたものの…、
洗った後に隠れていた傷みが露出してくるものもあるので、結局一緒に水洗い。
梅ちゃんの産毛が水をはじく姿は、宝石のようで美しいけれど、これはこれで梅ちゃんなりの考えとういか意図があるんです。
自然って凄いなって思いながら丁寧に洗い…、
水が溜まりやすいホシを下にして乾かします。
黄熟するまで追熟するとアク抜きの必要はないどころか、すぐに傷んでしまうので作業は手早く。
でも、水分が残っているとカビや傷みの原因になるため、ここでしっかり乾かします。
こんなに大きさが違うものもあるので、ここで大小に分けました。
洗うと痛みが出てきたり、浮いてきたりしたものは取り除き、乾かしている間は、梅干などに使えない梅や完熟落梅を汗だくになりながらジャム作り。
梅仕事が本格的に始まる季節は、立ち止まっている暇はないほど動き回っています(;´・ω・)
先の梅をしっかり乾燥させた後は、梅の分量を再度測り、それにあった塩を用意。
こちらは小さい梅ちゃんを選んで樽漬けしている様子ですが、ホワイトリカーで消毒した後、塩をまぶし、ホシを下にして並べ、一段並べたら塩を振り、また梅を並べ、最後に多めの塩をして塩漬け終了。
翌日夜にはもう完全に梅酢が梅全体を覆っている状態でした。
ギリギリまで追熟させると、それだけ実も柔らかくなり、皮も薄くなるので、梅酢を回すのもおっかなびっくりになるのですが、既にこれだけ梅酢が上がっていれば、梅酢を回す必要もないので、適宜空気を抜いて、土用干しまでカビチェックをしながら様子見です。
密閉袋で塩漬けする意味は、少量でも梅酢が上がりやすく、回しやすいからなのですが、今年は樽漬けの梅干も重しをせずに作ることにしました!
では塩漬けした後、大小それぞれに分けて漬けた老梅ちゃんの梅はどうなったかといいますと…、
M~Lサイズくらいを集めた1.5kgほどの梅ちゃんは翌朝すでに半分位梅酢が上がっている状態になり…、昨日苗太郎畑から帰宅して梅酢を回して、またそのまま放置しておいたら、
昨夜には、ほぼ梅酢に浸かっている状態になり…、
三日目の今朝は、もう殆どの梅が梅酢に浸かっている状態になりました!
そしてこちらは老梅ちゃんの大きい梅だけを集めて取っ手が付いているホウロウの容器に塩漬けした直後の様子です。
こちらは量も多いし、大きい梅を集めた事もあり、翌朝には半分以上が梅酢に浸かり…、
昨日苗太郎畑から帰宅した後はこんな感じ。
梅には一切手を触れず、容器の持ち手を持って、グルグル優しく回しただけでそのまま放置し…、
昨日の晩の様子がこちらです。
また梅酢をゆっくり回す程度にして、そのまま放置した…、
今朝の様子がこちらです。
全部の梅が梅酢に浸かるまでは、あともう少しという状況ですが、もうほぼ全ての梅が梅酢に浸かっている状態になりました!
樽漬けの塩漬けに重しをせずに作ったのは今年が初めてとなりますが、今までの経験から追熟をうまくすれば、重石は必要ないであろうということ、逆に重しをするとせっかくの梅を潰してしまう事になると思い、実行してみたのですが、やはり想像通り上手くいきました!
あとは、触るだけで破いてしまいそうなこの梅ちゃんたちを、皮を破かず上手く土用干しできるかにかかっています(;´・ω・)
さて、一号畑で苗子が作ってくれている固定種の「ちりめん赤紫蘇」もやっと収穫できるくらいになってきました!
まだ一度に大量のシソは収穫できないのと、今年は袋漬けにして収穫時期や熟度を変えて色々仕込んでいる小梅ちゃんもあるので、まずはどの梅を赤梅干しにするか白梅干にするか吟味しながら収穫したいと思います( ´艸`)
梅が出回る時期も、本当にもうすぐ終わりですね。
生産者さんが作られた梅も、自然に育っている梅も、どんな梅でも、大切に扱って、梅仕事を始めて頂きたいと思います。
無農薬梅は傷や病気になるのが多い分、上手く処理をしてあげないと梅仕事の結果、失敗してしまう可能性も増えてしまいますが、下処理を丁寧にすれば失敗も少ないです。
今日のようなシトシト雨が降って、外出できない日などは、まさに梅仕事を始めるのにうってつけの日!
前々から興味を持っていたけれど、なかなか手を付けられないでいる方も、お庭に梅の木がある、お店で梅をみかけて目が合っちゃった…なんて方は、是非是非今年こそ梅仕事初めて頂ければ幸いです。
梅仕事は色々あって、やればやるほど、知れば知るほど深いなと感じます。
何事もそうですが、作り方にしても「これが絶対!」とか、「これが正解!」という事はありません。
過去の梅子の梅仕事については、
こちらでまとめてありますので、宜しければ参考になさってくださいね♪
【 2017/6/26追記】
神谷さんの梅は、終盤に差し掛かり、収穫量も減っているため、グリーンファームあい菜フローラ店でのみ現在は販売されているそうです。気になる方はお早目にお買い求めください。
先日の強風や暫く続く雨のため、今週末が買い時だと思いますので、ぜひ地場の梅で梅仕事始めて頂ければ幸いです♪
「自家製」と「地場産」にこだわった野風のお弁当のご注文方法は、こちらでご確認ください。