自然栽培農家、臼井さんの畑見学

先週末に行ってきました自然栽培の農家さんの見学の続きです。

平塚で開かれている夕陽ヶ丘ファーマーズ、そして横田さんのハウス見学の後は、平塚で初めて自然栽培を行われた臼井さんの畑へと移動となりますが、その前に臼井さんのご自宅で、トイレ休憩がてら農具や種の説明をしていただきました。

昨日ご紹介した横田さんのハウス見学の際にも種の話が出ていたのですが、自然栽培において重要な物の一つは、種だそうです。

一般的に売られている種は、F1種、または一代交配種などと呼ばれ、

「品種の異なる野菜を掛け合わせたときに1代目にだけ表れる、立派で形や大きさが揃う性質を利用した品種改良技術」 (木村秋則さんの「百姓が地球を救う」より抜粋)

ということで、2代目からはこの形質は表れず、バラバラになるそうです。

我々が良くホームセンターなどで購入する種も、F1種です。

このお陰で、野菜の姿形が整い、生育も早まり、多くの収穫が見込まれるようになったんですね。

でも、種1代限りにしか、この改良技術は備わっていないため、一般的には翌年には新しく種を蒔いたりしているということです。

そして、一方、自然栽培で使われる「固定種」というのは、

・何世代にもわたり、絶えず選抜・淘汰され、遺伝的に安定した品種。ある地域の気候・風土に適応した伝統野菜、地方野菜(在来種)を固定したもの。
・生育時期や形、大きさなどがそろわないこともある。
・地域の食材として根付き、個性的で豊かな風味を持つ。
・自家採取できる。

 (「田舎元気本舗 「固定種」と「F1種」の違いより抜粋」

ということで、一代のみという訳ではなく、ずっとその元の性質を受け継いで来た種ということになります。

少し分かりにくいかもしれませんが、後ほどこの固定種の話が少し出て参りますので、頭に留めておいて頂ければと思います。

前置きが少し長くなってしまいましたが、いよいよ臼井さんの畑へ移動です!

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今は野菜の入れ替え時期なので、植わっている物が多くは無いとのことですが、こちらが「無肥料、無農薬」の自然栽培の現場となります。

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皆様、こちらは何が植わっているかお分かりになりますか?

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寄ってみると、こんな感じですが…








答えは…












人参なんです!

フェイスブックで同じ質問をしてみた所、知り合いから「ヨモギ?」と言われましたが、これはヨモギでは無く、人参なんです^^

夕陽ヶ丘ファーマーズで売られていた万福寺人参です。

でも、一般的にスーパーで売られているお野菜は、葉が付いていないし、ご自分でお野菜を育てていらっしゃる方以外、なかなか難しいかもしれませね。

とはいえ、私のように自分で育てている人間でも、「ここは畑なんです!」と言われてなかったら、ヨモギと思っていたかもしれません…。

無肥料、無農薬というだけでなく、雑草すらも必要以上に取る事をしないそうです。

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そしてこちらの畝に、これまた雑草と共に植わっていたのは…

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夕陽ヶ丘ファーマーズでも売られていた赤サラダからし菜です。

こちらは、今回種を蒔いた訳では無く、昨年の風で飛ばされた物が成ったということです。

臼井さんの畑では、先ほどお話しした固定種の種を蒔き、その中から元気や形、味が良い物を数本残し、それを母本とし、花を咲かせて種を取り(自家採種)、翌年また植えていくのだそうです。

そして、基本的には、同じ場所に植えるようにしているとのことでしたが、そこでまた一つの疑問が出てきてしまいました。

連作障害の事です。

連作障害とは、簡単に言うと、同じ畑に、同じ種類、または同じ科の野菜を続けて栽培することで起こる障害の事を言います。

畑1年目の時から、ジャガイモ、茄子、トマト、ピーマンなどのナス科の物は、連作してはいけないと教わったので、大和の畑でも綾瀬の畑でも、そういう事が無いように、いつ、何処に、何を植えたのかを管理しながら植えていますが、臼井さんは、それをしていないという事なのです。

そして、連作障害を防ぐための深耕もされていないとのことで、更にビックリ。

すると臼井さんは、

「山などに生えている自然の植物は、その場所に何年も続いて出来ていますよね?
それと同じ事です^^」

…と、いとも簡単におっしゃいました。

私は農作業に関しては、知識も浅い、若輩者ですが、今まで一生懸命、周りの方々の話を伺ったり、本やインターネットで調べた知識とは、全然異なる話ばかりなので、驚くと同時に、訳も分からず、正直言って、現場を目の前にしながら、半信半疑な気持ちがどんどん強くなっていったような気がします。

他にも色々お話を聞きながら、頭を整理しようとしていたのですが、なかなか整理が出来ないでいたところ、臼井さんが、ファーマーズでは出していなかった物を見せてくれました。

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霜にやられてしまい、出荷出来なかったほうれん草だそうです。

少し冬枯れしているように見えますが、れっきとしたほうれん草。

そして、このほうれん草を試食させて頂いてビックリ!









甘ぁ~い!!!!!!

今まで食べた、どのほうれん草より味が濃く、甘みを強く感じ、本当にビックリしてしまいました。

雑草と共存して美味しく育つ野菜、同じ所で育てても連作障害が起きない野菜…などなど頭の中がゴチャゴチャだった私でしたが、このほうれん草を食べた途端、何故か急に目が覚めたような感じに陥ってしまいました。

理由はまだ全然分からないけれど、
「そんな事はどうでも良いんだ!そこに美味しい野菜があるのだから!!!」
といった感じでしょうか!?!

全く説明になってはいないと思いますが、先ほど横田さんの所で頂いた、芳しい香りと強い甘みを持つバラと、このほうれん草を頂いた時の衝撃は、過去を振り返ってみても、なかなか無い経験でした。

結局臼井さんの作業場や畑で2時間近く色々見学させて頂き、帰路に着くことになりました。

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途中、高台にある臼井さんの別の土地から見た青い空に流れる飛行機雲。

先程までモヤモヤしていた頭が、何となくスッキリした感じがしたと同時に、いつも感じるのとはまた違った新鮮な目線でこの空を見上げていた気がします。

一般の農業の知識もそうですが、自然栽培に関しても、まだまだ不勉強な事が多く、今回の記事も一体何を伝えたかったのか分からないような状態になってしまったかもしれません。

でも、この日の経験は、私にとって、本当に貴重な物でした。

お忙しい中お時間を割いてくださった、臼井さん、横田さんをはじめ、夕陽ヶ丘ファーマーズの皆様、そして、急遽ご同行をお許しくださった、三浦さん、原さんに、心から感謝の意を表し、今回の見学の記事を終了とさせていただきたいと思います。

臼井さんの、てるてる農園のブログはこちらとなります。

また、臼井さん、横田さんが作られたお野菜は、平塚にある夕陽ヶ丘ファーマーズ、もしくは、同じく平塚で毎月第2日曜日に開かれるSunSunマルシェで購入可能です。

自然と対話しながら、丹精込めて作られたお野菜を、是非一度味わって頂けたらと思います。

なお、自然栽培農家さんからお勧めいただいた、世界で初めて、無農薬、無肥料でリンゴを育てられた青森の木村秋則さん著の 「百姓が地球を救う」は、私は、見学以降の興奮も相まって、半日で読んでしまいました。

慣行農法で育てられていた時の農薬使用状況や実際なども併記しながら、どのように自然栽培で育てることが出来たのかが実体験を元に書かれており、現在、そして未来の農業への提言をされていらっしゃいます。

私の書いた、このつたない記事でお分かりにならない事があったり、自然栽培について興味を持たれた方は、一度目を通されると良いと思います。

知らないことがまだまだ沢山あると痛感した経験と一冊でした。

まとまらない文章を最後まで読んで頂きありがとうございましたm(_ _)m

野風は、とりあえず、一歩一歩、出来る事から始めていきたいと思います!

【参考文献および参考サイト】
・木村秋則 「百姓が地球を救う
・藤田智 「はじめての野菜づくり」
・田舎元気本舗 「「固定種」と「F1種」の違い
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by bento_nokaze | 2013-02-15 08:09 | 生産者さん見学

神奈川県大和市中央林間にある完全ご予約制の仕出し弁当屋です。「地球と身体に優しく」をモットーに、「自家製」と「地場産」にこだわったお弁当をお届けします。


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